[保育士監修]新生児のゲップの出し方のコツ
初めての出産の後は、休む間もなく子育てがスタートします。
オムツ交換やミルクなど、初めての経験はわからないことばかり。
ゲップの出し方も新米ママを悩ませることのひとつです。
赤ちゃんの授乳後にゲップがすぐに出ないと、やり方が正しいのか不安になりますよね。
また、初めての育児では、せっかく飲んだ母乳やミルクをはいてしまうと焦るものです。
今回は、ゲップはなぜ必要なのか、出し方にはどのようなコツがあるのかをお伝えしていきます。
毎日のお世話であるゲップへの不安を解消しましょう。
どうして赤ちゃんにゲップが必要なの?
「赤ちゃんにはゲップが必要」。
病院やママ友に言われてなんとなく行っている方も多いのではないでしょうか。
ゲップがなぜ必要なのか、その理由は大きく分けて次の3つ。
①飲んだ母乳・ミルクを吐き戻さないようにするため
②しっかりと胃のなかで消化させるため
③授乳中、一緒に飲み込んだ空気がお腹を圧迫しないため
赤ちゃんは、授乳中に空気も一緒に飲み込んでいます。
特に新生児期は赤ちゃんがまだ飲み方を練習している時期なので、小さい胃に対して多くの空気を身体に取りこんでしまいます。
胃に空気がたまってしまうと、起こりやすいのが吐き戻し。
赤ちゃんの胃は大人と違い、縦長の形をしています。
また、胃と食道をつなぐ入り口も緩いので、少しの衝撃や圧迫でも逆流しやすいのです。
ゲップは胃にたまった空気を排出することで、吐き戻しを起こりにくくしています。
また、授乳後に赤ちゃんの機嫌が悪いときは、もしかしたらお腹が苦しくて不快に感じているのかもしれません。
ゲップで空気を出してあげると、機嫌がよくなることがありますよ。
ゲップはいつごろまで必要?
ゲップの必要な時期には個人差がありますが、月齢を重ねるごとにゲップが出にくくなります。
空気は寝返りやおすわりの体勢に変わるときに外へ自然と出ていくからです。
腰の据わり始める生後5か月~6か月になると、ゲップをさせる必要がなくなってくるでしょう。
ゲップがなかなか出ないと不安になりますが、赤ちゃんが機嫌よく過ごしていれば様子を見ても大丈夫です。
ゲップが出ないのは、赤ちゃんの身体の機能がすくすくと育っているということでもありますよ。
ゲップは何回させたほうがいいの?
ゲップの必要な回数は決まっていませんが、ポイントは赤ちゃんの様子を観察すること。
「げふっ」と大きな音を出して1回のゲップでスッキリする赤ちゃんもいますが、まだ赤ちゃんが苦しそうにしていたらもう一度。
体勢を変えてみたり、背中をさすってみたりと、様子に合わせて変えてみましょう。
赤ちゃんにゲップをさせる時の姿勢
赤ちゃんによってゲップの出しやすい体勢や方法は異なります。
いろいろなやり方を試しながら、出しやすい方法を探してみてくださいね。
赤ちゃんを縦抱きにしてトントンする
赤ちゃんを座らせる・うつ伏せでトントンする
ゲップを出すときのポイント・注意点
赤ちゃんを縦抱きにしてトントンする
空気は下から上に向かって移動しやすいので、縦抱きにした状態でトントンするやり方はよく使われている方法です。
縦抱きは授乳中の抱き方から移動させやすいので、ママにとってもスムーズに移行できます。
首が座らない時期は、大人の肩にあごを乗せるように抱っこをすると安定します。
身体がぴったりと密着する安心感も得られますね。
赤ちゃんを座らせる・うつ伏せでトントンする
赤ちゃんをひざの上に横向きに座らせます。背中を丸くし、上半身はやや前のめりに。
首が苦しくならないよう胸の上に大人の手をあて、身体と首を支えることがコツ。
また、足を後ろに回してひざの上でうつ伏せにする方法もあります。
この体勢は身体が伸びるので、ゲップを出しやすくなる赤ちゃんもいますよ。
ゲップを出すときのポイント・注意点
ゲップは授乳後に行われることが多いので、赤ちゃんは満腹な状態です。
ゲップのはずみで一緒に母乳やミルクが出てしまうことがあります。
その際に役立つのがガーゼやタオル。
大人の肩にかけたり、赤ちゃんの口元に添えたりして、吐き戻しで汚れることを防ぎます。
また、肌が弱い赤ちゃんが大人の衣類の刺激で荒れるのを防ぐ効果もあります。
清潔なガーゼや柔らかいタオルを用意しておくと安心ですね。
ゲップが出ないときは赤ちゃんの様子を見守ろう
赤ちゃんのゲップは、必ず出るとは限りません。
時間をかけても全然でないと不安に思いますが、赤ちゃんが疲れないよう、5分ほどトントンしても出ないときは一度やめて様子を見ましょう。
機嫌よく過ごしていれば、そのままで大丈夫。
また、授乳は赤ちゃんにとって体力を使うもの。
飲んでいるうちに赤ちゃんが授乳中に寝るのはよくあることです。
そのような場合でもわざわざ起こす必要はありません。
ゲップが出ずに不安に感じるときは、いつ吐き戻してもいいように横向きの寝かせ方にしましょう。
万が一の窒息を防ぐために、タオルなどで頭の位置を少しだけ高くしておくとより安心です。
まとめ
まだ筋力が弱く、自分で体勢を変えられない赤ちゃんにとって、身体にたまった空気を排出するゲップはとても気持ちのいいものです。
しかし、ゲップはその時によって出にくいこともあります。
大切なのは、吐き戻しに配慮しつつも「すぐにゲップできないこともあるし、もしかしたら今は出ないかもしれない」と思って過ごすことです。
ゲップが出にくいとき、もしくは出ないとき。
それはけしてママのやり方に問題があるわけではありません。
赤ちゃんがいつもと変わらず、気持ちよさそうにしていたら様子を見守ってくださいね。
ゲップを出すまでの赤ちゃんとの触れ合いは本来心地よいもの。
ママも赤ちゃんもほっと安心できる時間をお過ごしください。